各種歯科保健事業の特性(有効性など)に関する評価

  • 乳幼児の歯科保健事業(乳歯う蝕予防・進行抑制)
    1)フッ素塗布
    2)フッ素入り歯磨剤の早期利用
    3)フッ素溶液によるブラツシング
    4)PMTC(=専門的な歯の清掃)(リスク管理)
    5)サホライド塗布(う蝕進行抑制剤)(乳臼歯隣接面)
    6)歯科健診時の健康教育
  • 保育園~小中学校の歯科保健事業
    1.永久歯う蝕予防
    1)フッ素洗口
    2)フッ素塗布
    3)ブラッシング
    4)シーラント(予防填塞)
    2.歯肉炎予防(保健指導、受診勧告)
  • 成人の歯科保健事業
    1.歯牙喪失の予防
    1)成人歯科健診(行政ベースの事業)
    2)歯科医院での予防管理
    3)PTC(=歯科専門家による歯面清掃)
    2.歯周疾患子防
    1)乳幼児歯科健診に伴う母親への個人指導(行政ベースの事業)
    2)中高齢者を対象としたブラッシング指導(行政ベースの事業
    3)事業所における歯科保健管理
    3.う蝕予防
    1)フッ素洗口(集団方式)
    2)フッ素入り歯磨剤
  • 老人(QOL向上)
    1)寝たきり者訪間指導・診療
    2)施設在住者に対する口腔ケア

少子・高齢化時代を迎え、日本の未来をになうべき児童、生徒の口腔の健康のために我々歯科医師達も努力して参りました。その結果、WHO(世界保健機構)が定めた「西暦2000年までに、12才児のDMFT指数(D=Decayed teeth=う歯・M=Missing teeth=欠損・F=Filled Teeth=充填)を1人あたり3本以内にするという目標」も、平成12年度日本でもクリアできました。岩手県においても数多くの学校でそれ以下の数値となり、全体でも平成12年度2.96本と目標をクリアしました。
昭和20年代から40年代前半には爆発的なむし歯の洪水で、児童、生徒の口腔の健康は大変、悲惨な状況でした。また、岩手県においては学校歯科医を実質おけない(委託)へき他校すらありました。そこで岩手県と岩手県歯科医師会は、昭和46年か「けんこう号」と名付けた「学校歯科巡回指導車」を配置し、25年間も運行されました。その結果、処置率が向上し、さらに予防活動の充実によりむし歯のない子供が増加しております。
ところが、このように喜ぶべき現状においても、児童、生徒の歯科外傷は増加の傾向にあります。スポーツ外傷に対する予防法も考えられる現在、突発的な歯科外傷に対しても適切な処置を行うことで、子ども達の歯を守ることが出来る場合もあります。
そのための知識を持っていただきたいと思い、このページを作りました。十分に活用していただけたら幸いです。


学校における歯科応急処置

 応急処置とは、放置しておけば急速に状態が悪くなり、直ちに本格的な処置ができない場合に行う一時的な緊急処置のことを言います。
このページでは学校現場における頭部、顔面の外傷において生命に危険がおよばない範囲での口のけがと歯のケガの応急処置に限って述べています。
学校では児童・生徒には、遭遇すると予想される外傷とその応急処置の知識と技術を教えておく必要があります。事故を起こさないことが最も大切なことでありますが、何らかの行動をする時に起こりうる事故の予想をすること。そしてそれが起こることを極力避ける努力をすること。さらに不幸にもそのような事態が起きた場合に必要な処置方法を十分知っておくことが重要なことです。
不幸にして事故が起きてしまったときには、応急処置の間に医療機関へ連絡をとったり、直ちに受診する必要があります。従って、学校医・学校歯科医および地域内の医療機関の所在と連絡方法を明記しておく必要があります。

口腔清掃
在宅での療養者は、自分で物を食べることが出来なかったり、話すことが出来なかったりなど口腔機能が低下しているため、口腔機能や周囲感覚が整うよう、状況に応じ口腔清掃をする。
洗口
洗浄
清拭
歯磨き
義歯の清掃

洗口
清拭、歯磨きなどの口腔清掃の前や後に行うことで、感染予防、食物残渣、口腔清掃後の汚れなどを取ることが出来る。(歯垢は取れない)水や洗口液を口に含みブクブクうがいをする。唇や頬をよく動かして行うことによって機能訓練にもなる。著しく機能が低下している人や摂食障害のある人などの誤嚥には十分注意をする。

洗浄
ブクブクうがいが出来ない場合は吸い飲み、注射筒、ウォーターピックなどを使い、誤嚥に注意して洗浄を行う。顎が上がらないよう注意し、横に寝たまま洗浄する。下側の頬にたまった液は唇の角を下に引っ張り入れ物に出す。タオル・ガーゼなどに吸い取る。吸引機を使う。

清拭
ガーゼ・綿棒などを使い、歯・歯肉・口腔粘膜の汚れを拭き取るが、歯垢や隅々の汚れは取れないので、洗口・洗浄・口腔清掃が困難な時に行う。

歯磨き
歯ブラシや歯間ブラシ、デンタルフロスなどの補助道具を使い、機械的に汚れを落とす。義歯がある場合は食後にはずし、歯ブラシや義歯用ブラシで清掃する。義歯用洗浄剤を使う場合はブラシを使った後にすると有効。

義歯の清掃
在宅療養者の方々は自立度や認識の低下で義歯の着脱や清掃が必ずしも十分とは言えず、介護者や家族も義歯まで手が回らないのが現状である。清掃が不十分な義歯は、カンジダなどの細菌が繁殖して、肺炎などの感染を引き起こす事があるので、義歯ははずして清掃することが望ましい。
歯ブラシや義歯用ブラシで機械的に清掃するが、義歯洗浄剤を併用すると効果的である。

歯のホワイトニングは近年かなりの速度で一般に普及しています。

そこで気をつけたいのは正しいクリニックの選択になります。

医師免許等の資格なしで、エステなどでもホワイトニングと称してサービスを提供しているところがありますが、いわゆる歯科医師が行うホワイトニングとは違う種類であり、歯が白くなる効果が得にくい場合があるので注意が必要です。

例えば大手のスターホワイトニングなどはチェーン展開し、技術サービスが確立されているので安心かと思います。

スターホワイトニングの口コミや評判についてはこちらのサイトを確認されると良いかと思います。

「8020運動」が提唱されて以来、歯科保健に対する関心は確実に高まりつつあります。また、スローガンとしての「8020」は国民的にかなり周知されてきています。
しかし、「8020」という目標値到達のための貝体的手段についての対応は十分だったもでしょうか?
そのため、地域歯科保健の現場で働く関係者の方々には、具体的にどのように取り組んだら歯科保健の向上につなかるかという情報が十分に提供されていなかったと思われます。
歯科保健の重要性については、「8020」の周知に加えて、「健康日本21」や「健康いわて21プラン」の中でも明確に位置づけられるようになりました。これは、日本そして地域での歯科保健にとっては画期的なことです。しかし、「健康日本21」「健康いわて21プラン」は、健康づくりのため「指針」であり、これを実際に実施していく歯科保健での現場の視点からみると、やや具体性に欠ける面があります。
以上のような背景をもとに、市町村などの現場で歯科保健に関与している方々に対し、まずは、「どのような歯科保健対策か有用であるか」という点を具体的に示す必要があると考えます。
地域歯科保健向上の一助になれぱ幸いです。

  1. 8020運動の目的に近づくための各種対策について科学的に検討する。
  2. 各町村の取り組み状況について惰報交換を行う。
  3. フッ化物の応用などの有効な方策については、その普及に努める。
  4. 8020運動推進に関連する種々の問題点についての議論およぴ提言を行う。
  5. 歯科医師会と行政、学会、大学等の関連組織・団体との交流を行う。
  6. その他、目的に達するために必要な事業を行う。

なぜ歯科保健事業というものが必要なのか?

  • 歯科疾患の有病率と健康問題としての重要性
    う蝕や歯周病などの歯科疾患は、重要な身心的健康問題のひとつです。
    直接的に死に至るようなケースが極めてまれであることから、疾患の重篤度という点ではそれほど高いとは思われていませんが、しかし、有病率の高さを考慮すると、社会に与えている影響は大きいものがあります。
  • 歯科疾患の有病率と推移
  • 小児う蝕の実態
    小児のう蝕有病状況は漸減傾向にあります。ことに学校歯科健診にCOが導入された1995年以降は、滅少傾向が加速されてきています。しかし、世界的にみると、わが国の小児のう蝕はまだまだ多いことも事実です。1988~92年に行われたWHOの国際比較調査では、日本の小児のDMFTはポーランドと並んで世界のトツブレベルにあり、フッ化物利用が進んでいる北欧諸国やアメリカやニュージーランドとの差が大きいことが示されました。
  • 歯の喪失状況
    1993年に行われた厚生省歯科疾患実態調査によれば、80歳の現在歯数は3.5本(75歳以上では5.8本)となっています。また、1997~98年に全国4県(岩手県・新潟県・愛知県・福岡県)で実施された「8020データパンク調査」によれぱ、80歳の現在歯数は6.0本でした。
    現実は、「8020」という理想から大きく乖離しています。しかし、高年齢層の現在歯数は、1970年代以降、増加傾向にあり、1993年度の50歳代以降の各年齢層では1975年に比ぺて24~49%増加しています。また、世界的にみると、わが国の高齢者の現在歯数は比較的多いほうです。
  • 疾患別にみた外来新患数
    1993年度に行われた患者調査の結果から、疾患別に外来新患数を比較すると、中・高年者では歯・歯周疾患による患者数が、風邪(急性上気道炎)を上回っていることが明らかとなりました。
  • 歯科疾患が生活に及ぼす影響
  • 20本が噛める境界
    成人372人を対象として、喪失歯数と咀嚼能力の関連について調べたところ、喪失歯数が増加するに従って、咀嚼能率判定表で咀嚼難易度の高い食品が噛みにくくなる傾向が認められ、喪失歯数が0~7本(現在歯数が21本以上)だと、大半の食品か咀嚼可能であることがわかりました。
  • 歯科疾患が生活の質に及ぼす影響
    福岡予防歯科研究会が福岡市内の企業(製造業)の事務系社員170名を対象にアンケート調査を行ったところ、歯科疾患が原囚で仕事に支障を来している者の割合が高く(表1)、歯科疾患が会社に不利益を来していることか示唆されました。
  • 歯科疾患による経済的損失
    福岡予防歯科研究会は、歯科疾患によってもたらされる経済的損失を把握することを目的に、同社の従業貝全員に対して、歯科疾患による欠勤状況などについて調査し、歯科疾患による業務支障日数とそれによる損失金額を推計しました。その結果、上場全体の1年間の歯科疾患による労働損失時問は148.6日(一人平均0.35日)で、工場全体のl年間の損失金額は、382~1,284万円と推計されました。
  • 口腔と全身の関連について
  • 北九州市の高齢者に対する追跡調査
    北九州市の高齢者福祉施設入居者719名を対象に、6年間の追跡調査を行い、身体的健康状態(歩行能力と介助の必要性)と精神的健康状態(痴呆の程度)を各々3段階で評価し、ぺ一スライン時の口腔状態別に身体的・精神的健康状態の変化をみた結果、無歯顎で義歯未装着の者は、現在歯20本以上の者に比べて身体的健康状態が10.3倍、精神的健康状態が3.1倍悪化しており、健康悪化に対するリスクが非常に高いことか示唆されました。
  • 全国4県の高齢者に対する横断的調査(8020データバンク)
    全国4県の高齢者(70歳と80歳)2,715名を対象に行われた口腔およぴ全身健康状態に関する疫学調査の結果、咀嚼能力が良好な高齢者は、フェイススケールによるQOL(生活の質)か良好な者が1.5倍多いことがわかりました。この関係は、QOLに関わる各要因をコントロールしても明確に認められ、良好な咀唱i能力を維持することは、生活の質の向上に寄与していることが示唆されました。
    また、この調査の一環として新潟市で実施された調査では、栄養調査(簡易食物摂取状況)が行われ、現在歯数の少ない群では野菜摂取の不足が認められ、口腔健康状態の低下がビタミン類などの摂取低下につながり、全身健康状態のリスクファクターとなっている可能性が示唆されています。